エドファームに滞在している人たちは皆本当に個性的でした。
アメリカ人、イギリス人、カナダ人、フランス人、ドイツ人、ネパール人。
アメリカ人は、基本的に自由奔放でリーダーシップを取る感じ。
イギリス人は、何に対しても几帳面でテントや洋服もいつもキレイでした。
カナダ人は、バランスが非常に取れていて、ユーモアもあり、国際感覚もあり、誰とでも仲良くやれるという雰囲気。
フランス人は、何かこうぼーっとしているかと思うと、急に「え?そのテンション凄いなぁ」みたいな感じ。
ドイツ人は、生真面目で日本人に似た雰囲気があり、賢い、手先が器用、そんなイメージ。
ネパール人は、どこか昔の日本人のようで、温かみがある感じ。
僕がこのファームで「楽しいなぁ」と思ったのは、こうした多国籍な仲間15人くらいが入れ代わり立ち代わり、このファームに出入りしていることでした。
年齢も様々で、カップルがいたり、離婚をしての一人女旅だったり、学生だったり・・・。
ある時は、エドの車でマウナケアの頂上まで行ったり、島の反対側のコナまで行って、数泊のキャンプをしたりもしました。
皆で知恵を出し合い、皆でお金を出し合い、皆それぞれが得意分野を発揮し、輪になり、世界が広いと感じたり、狭いと感じたり。
そして、夜は決まってビールを飲みながら、キャンプファイヤーをしながら、皆の夢を語り合いながらも、「どうしてハワイ島へ来たの?」、「家族は?」、「君の国の歴史は?」などと、そんな話を英語でしました。
ギターを弾きながら歌う人がいたり、ジャンベを叩く人がいたり、踊り狂う人がいたり、ひたすら聞き役に回っている人がいたり、毎日毎日、15人くらいの多国籍なメンバーといると、カルチャーショックの連続でした。
僕はその時に感じていました。
僕には友達が世界中にこんなにも多くいる。
どんな国でも友達をつくることができる。
自分の枠を飛び越えよう。
そして、エドに自分の愛するサーフポイントのビーチクリーンをしたい旨を伝えると、さすがはアメリカ人、即実行!
「ナオヤ~、グッドジョブ!」ってな感じ。
エドのダットサンの荷台に青い大きなシートを広げ、そこにビーチの木陰に落ちていてずっと気になっていた空の瓶ビールだとか、スナック菓子の袋だとか、そんなものをエドのファームの4人ほどでやりました。すると、その光景を見ていたいっつもビーチにいるおじさんの集団が「ナオヤ~、グッドジョブ!」、「ジャパニーズ!」とか言いながら、手伝ってくれました。その光景や様子は、日本では有り得ないことでした。
良いことは良い、良いことは即実行!
さすがはアメリカ。
このハワイ島にいる間、僕が稼いだお金はもちろんゼロで、使う一方。
ですが、この時の時間はお金では決して買う事のできない、そんな25歳なのでした。
つづく。