ミネラルは、私たちのからだのなかで、どのような働きをするものなの?
「子どもとおかあさん」に焦点をあて、ミネラルの働きと補給方法について、 管理栄養士の清水綾香さんにお聞きしました。
ミネラルは生命活動の土台を支えるもの
子どものからだの働きは未熟ですが、基本的には、大人も子どもも、からだのつくりや働きは同じです。
からだの中でミネラルは、
①からだの組織をつくる
②酵素を活性化する(酵素が働くのに不可欠)
③ビタミンの働きを活性化する
④ホルモンをつくる
⑤体液を最適の弱アルカリ性に保つ
⑥浸透圧の調整(細胞の働きに関わる)
⑦栄養素を細胞まで届ける
という生命活動の根幹といえる働きをしています。神経系・感覚器の働き、筋肉の動き、細胞内でのATP(エネルギー代謝に関与する物質)の産生、各種ホルモンの合成や分泌、免疫細胞の働き、内臓・骨・肌の健康を保つこと、活性酸素の消去、有害物の解毒からDNAの複製にいたるまで、すべての生命現象にミネラルが関わっており、その不足で起こる症状は全身に及びます。しかしミネラルは不足しても、すぐに欠乏症として現れないため、その重要性や不足状態に気づきにくいものです。
ミネラル欠乏症予防には、ミネラルをはじめ「5大栄養素」を適切に摂ることが大切です。
その際、
①栄養素と有害物を適切に振り分けられるからだづくり
②栄養素に配慮した食事づくり
③体内の栄養素を不必要に消費しないこと(食事内容や生活習慣が関わる)なども重要です。
ミネラルにはたくさんの種類がありますが、ミネラル同士の拮抗作用(他のミネラルの働きを阻害する)や補完作用(他のミネラルの働きを助ける)はとても複雑です。医師の大森隆史先生は著書の中で以下のように示しています。「ミネラルは相互バランスをとることがきわめて重要なので、摂取する場合にも比率が重要になります。もちろん、単独摂取ではなく、複合的・総合的に摂取することが大きなポイントとなります。
ただし、その比率を人工的に調節することは、かなりむずかしいことだと思います。自然の中で植物体などの中にバランスよくとり込まれた状態のものを摂取するのが最適なのです」
ミネラルは、吸収がよく余剰分が排泄されやすい食品から摂ることが大切です。また栄養成分だけ追求するのではなく、食事を自分事として慈しむことも大切です。私の7歳になる娘には、まず楽しく食べてもらうことを大事にし、子ども自身にも「自分のからだの扱い方」の一つとして、食べ方を日常会話のなかで伝えています。
おすすめは吸収がよく安全な「フルボ酸」
ミネラル補給は普段の食事が基本ですが、私は、70種類以上ものミネラルが摂れる「フルボ酸」を利用しています。疲れやすさを感じて食生活にとくに気を配っていたころ、フルボ酸と出会いました。食事だけではなく精神的な切り替えもしましたが、フルボ酸を摂るようになったことも体調の回復に役立ったと実感しています。
とくにわかりやすい変化として、フルボ酸を摂っている時期は爪が丈夫になりました。それは半年~1年ほど続けて摂りその後止めて、と自分なりの実験の結果ですが、焦らずゆっくり試すのがいいと思います。効果には個人差もあります。
ミネラルは全身の細胞活動のために欠かせないものなので、不定愁訴で悩んでいる方には、ミネラル(場合によってビタミンも)補給が功を奏すると言えます。ミネラル不足や代謝の問題を調べる検査もありますが、ハードルを感じるようでしたら、フルボ酸を半年~1年以上摂ってみてよい変化を感じるかどうか、試してみるのをおすすめします。
というのは、フルボ酸は吸収しやすく過剰分が排泄されやすいといわれており、ミネラルが必要のない人はいないので、仮にミネラル不足でなかったとしても害にはならないからです。ただし、フルボ酸は薬剤などで抽出しているものもあるようなので、水だけで抽出した高品質のものを選ぶよう気をつけてください。
子育て中のおかあさんやデトックスにもミネラルを
妊娠時や産後の回復期、授乳期は、からだの中で赤ちゃんが育っていったり、生活やホルモンの変化があったり、いろいろな意味でからだに負荷がかかっている状態です。妊娠時や授乳時にはおかあさんの体調が赤ちゃんに影響しますし、産後の生活の変化でストレスが大きい時期もあります。
ストレスが長期化すれば副腎に負荷がかかり、副腎機能が低下すると、体内のミネラルバランスが崩れてしまいます。副腎が働くにも、アミノ酸、ビタミン、ミネラルをはじめ、あらゆる栄養素が必要です。妊娠中や乳幼児の子育て時期は、栄養素は補給より消費のほうが多くなるので、意識的にビタミン・ミネラルの補給を心がけましょう。
そして、子どものミネラル補給で印象的だった出来事があります。私は「3・11」の時期に妊娠し、娘が2〜3歳ごろ、体内に蓄積した水銀の排出とその経過を見るために爪検査を行ったところ、セシウムが検出されました。これは放射能汚染が原因と断言できませんが、おそらく関係しているとのことでした。
検査後、毎朝のお味噌汁に小さじ1杯のフルボ酸を入れて飲ませると、しばらくして体内のセシウム、水銀の量が基準値内に下がりました。セシウムの蓄積度合いや排出能力、常時体内へ侵入してくる量などはそれぞれなので、すべての人に同じ効果が出るとは言えませんが、私の子には功を奏し、うれしくて飛び上がったのを覚えています。
今は学校へ持っていく水筒に味がわからない程度に入れています。娘もフルボ酸がからだによいことを感じているのか、体調が悪いときには自分から摂っています。私も毎朝濃いめに希釈して飲み、不調時は多めに摂っています。食事はすべてそうですが、フルボ酸もからだと対話しながら摂ることが大事だと思います。
清水 綾香さん(管理栄養士)
東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。医療機関で管理栄養士として活躍後、2015年よりフリーランスに。 自分全体(カラダ・ココロ・アタマ)の調和をめざす食生活を提案している。