微生物の力を活かしていくことが健康への近道に
古代から続いてきた日本の発酵文化。縄文時代にはすで発酵食品作りが行われていたとか。私たちの生活と切っても切り離せない『発酵』。その発酵に欠かせない微生物の力が今注目されています。
醤油、味噌、お酒、納豆、漬け物にパンやヨーグルトなどなど。私たちの日々の食生活は発酵食品で溢れています。皆さんも健康のためなど毎日の食生活に発酵食品や発酵飲料、発酵調味料などを摂り入れていると思いますが、ご存じの通り、食物が発酵するのは目に見えない菌=微生物のおかげ。そんな微生物たちが特に元気になるのがまさにこの時期、春から初夏にかけてで、中でも特に梅雨どきだというのも以前この連載でお話しした通りです。
微生物にとっての最適な気温と湿度は多湿な状態。ここ上越は特に風土的にも多湿な土地なので、私たちにとっては洗濯物も乾かず鬱々としやすい時期ですが、そんな環境の中で、多くの微生物はより活発になるのです。そういった微生物の働きを利用して発酵させることで、食品そのものの旨味が増し栄養価や保存性も高くなるため、発酵は昔から活用されてきました。
古くから伝わってきた発酵の技術
その集大成は微生物の全部盛り?
そのメカニズムが解明されたのは17世紀に入ってからとのことですが、微生物の存在や複雑なメカニズムなど知らなくても、人類は経験と探究心によって、発酵の技術を身につけ、豊かな食文化を育んできたのだからすごいですよね。でも、発酵食品や発酵飲料、発酵調味料の多くは、一つの菌=微生物で作られるものがほとんど。
身近なところで言うと、例えば、ワインには酵母、ヨーグルトには乳酸菌など、目的の発酵に対して特定の微生物を使い分けています。でも、私たちが作る酵素ドリンクの場合はそうではなく、言わば微生物の全部盛り状態。それぞれの効果を相乗効果で引き出すため、酵母菌・乳酸菌・麹菌などいくつもの微生物を使い、約1年かけてじっくりと発酵させます。それぞれの微生物がより良い力を発揮してくれるよう、発酵させるためのかめの形にもこだわり、温度湿度を調整しない「なりゆき温度」の中、微生物の動きやすい環境を整えて自然発酵熟成をさせているのです。
菌=微生物の声を聞く
それができるのが良い作り手
質の高い酵素ドリンクを作る上で一番大切なことは、『菌=微生物の声を聞くことができるかどうか』。菌=微生物の状態を見て、声を聞いて、その力が最大限に発揮されるよう見守ります。
「発酵のまち上越」と言われるこの場所で、出来る限り人の手を加えないようにしながらも、微生物の声を聞く。実は経験がものを言う大事な仕事なのです。私たちが機械に頼らずなるべく自然や経験を積んだ職人の手で発酵熟成をさせ続けているのは、そんな活きた微生物の力を最大限引き出して、常に良い状態で皆様にお届けしたいと願っているからです。
近年、日本人でも生活習慣病が蔓延しています。その一番の原因は食生活の欧米化が影響していると言われています。昔の日本人がそうであったように、醤油や味噌、みりんなどの発酵調味料はもちろん、納豆や漬け物などの発酵食品を積極的に摂り入れる食生活にもう一度シフトして、自分のからだを自分で良い状態に導いていくことが、1番の健康法ではないでしょうか?